サステナビリティについての取り組み
海運・造船業界に求められる環境への配慮に対し、福岡造船は「技術」と「循環」の2つのアプローチで持続可能な社会の実現に貢献します。
マイナス162℃の極低温技術に挑んだ次世代船の建造と、船体を支え続けた木材に新たな命を吹き込む取り組みをご紹介します。
世界初!高難度なLNG燃料ステンレスケミカルタンカーを建造

LNG燃料ステンレスケミカルタンカーとは?
LNG(液化天然ガス)をメインの燃料として航行する次世代のケミカルタンカーです。
LNGを主燃料としながらも、補助として今まで通り従来の燃料(重油など)も使用して進むことができるシステムを備えています。
従来の船に比べて、CO2(二酸化炭素)の排出量が少ないという明確な環境対応のメリットがあります。
温室効果ガス削減が急務となっている海運・造船業界において、クリーンなエネルギーであるLNGを活用することは、持続可能な社会(サステナビリティ)の実現に直結します。
構想13年。極低温と見えないガスへの挑戦
建造のプロジェクトの始まりは、12〜13年前にお客様(ヨーロッパの船主様)から受けた「LNGを燃料にして走る船ができないか」という打診でした。
長年研究を続けていたものの、当時はコストや環境配慮の波が追いついておらず眠らせていましたが、それがついに開花しました。
しかし、実際の建造にあたっては「3つの大きな課題」がありました。
課題1.極低温の液体による「配管の縮み」
LNGはマイナス162℃という非常に低温の液体です。
そのため、配管が縮むことを緻密に計算しながら設計するという高い技術力が求められました。
課題2.目に見えない「可燃性ガス」の安全設計
LNGが気化するとメタンガスになりますが、これは目に見えません。
可燃性のメタンが船内のどこに留まると危険になるかを予測し、安全を確保した設計を行うことが非常に困難でした。
課題3.海外メーカー設備の導入と品質管理
LNGタンクや燃料供給装置(FGSS)一式に、初めて中国メーカーの製品を採用したため、そのやり取りに大変苦労しました。
また、海外製品は破損や欠品が起きると再入荷に多くの時間を要します。
これを乗り越えるため、入荷時に専用倉庫で確実な検品作業を行い、健全な状態で保管・管理する徹底した現場体制を敷きました。
「初めてだからといって、失敗していいわけではない」。
何年も前から「福岡造船と一緒に船を作りたい」と言ってくださった船主様の期待に応えるため、全社でベストを尽くし、これらの技術的・物理的な壁を乗り越えて完成に至りました。
建造プロジェクトについては、ぜひ動画でご覧ください。
建造資材を家具に再利用

造船の歴史を刻む木材に、新たな命を吹き込む
何千トンもの巨大な船体を下から支え続ける「盤木(ばんぎ)」や、現場で使われる「足場板」。
船を支えることができるほど耐久性に優れたこれらの木材を、役目を終えたからといって廃棄してしまうのは非常に勿体ないことです。
福岡造船グループでは、これらの木材に家具としての新たな命を吹き込むアップサイクルプロジェクトを開始しました。
※船体を支えている盤木の様子はinstagramの投稿をご覧ください。
職人の手による、唯一無二の「勇ましい」デザイン


家具の制作は、無垢材を用いた家具作りを行う「TAKE FURNITURE」の家具職人・平塚剛史氏に依頼しました。
「木が最大限生きるように」という考えのもと、試行錯誤の末に誕生したイスやオットマン。
あえて側面などの加工は最小限に留め、木材そのままの姿を残しています。
成人男性1人では軽々と持てないほどの重量感としっかりとした造りは、造船所で力強く働いてきた証。
一つひとつが異なる表情を持つ、唯一無二の「勇ましい家具」へと生まれ変わりました。
※家具職人・平塚剛史氏に実施したインタビューはinstagramの投稿をご覧ください
家具職人・平塚剛史氏のご紹介


平塚剛史
拠点
福岡県朝倉市秋月
TAKE FURNITUREとは
筑前の小京都、秋月にて、無垢材を使った家具を制作しています。 「機能美の追求」をテーマに、鉋や鑿などの伝統的な道具を用いた家具作りを追求しています。
主な制作物
小さな工房ですので、壁面収納から小物・雑貨までご要望があれば幅広く制作しています。
盤木との出会い
盤木を最初に見たときの印象は「自分が何もしない方がカッコ良いのでは」というものでした。
時間と歴史の染みついた素晴らしい表情の材を、最小限の加工で、最大限カッコ良く活かすということをテーマに、全体の制作を進めました。
地域と繋がる新たな拠点「USUKI BERTH(ウスキバース)」へ
完成した家具たちは、大分県にあるグループ会社・臼杵造船所の社宅をリノベーションして誕生した新施設「USUKIBERTH」へと運び込みました。この施設は単なる社宅ではありません。
1階部分には一般の方も宿泊できるゲストルーム(2025年10月オープン)や、地域交流の場となるフリースペース(コワーキングスペース、学生の自習室、レンタルスペースなど)を備えています。
別世界に迷い込んだような素敵な空間で、実際にアップサイクル家具の温もりと歴史を肌で感じていただけます。
足場や盤木は一般の方もご購入いただけます
造船の現場で役目を終えた「足場板」や「盤木」は、一般のお客様へ向けても販売を行っております。
在庫が出た際にはその都度福岡造船公式Instagramにてお知らせいたしますので、ぜひフォローしてお待ちください。





